安買銭夫のネットで買ったもの全部書くブログ

脊髄まで浸透したネットショッピングの七転八倒の悲喜こもごもがきっと何かの役に立つと信じて僕は書きます。

LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D(フジXマウント)/45,870円(中古)

1.欲しい理由

 以前XF14mmF2.8 Rを持っていたが、あまり使わない画角のため手放した。最近になってまた超広角が欲しくなったため。

 

2.検討内容と結果

  先立って7artisans 12mm F2.8を買ったことは別記事参照。

 7artisansの12mm F2.8を買って後悔したのは主に3点。

  • 確かにコスパはいいけど、XF14mmF2.8 Rの描写の素晴らしさを知っている身からすれば、物足りなさを感じる。
  • ベストな絞り値はF5.6か8.0くらい。dp0 Quattroより低EV値の状況で使おうと考えていたけど、絞らないと描写が安定しないというのは使いにくい。
  • 実際に使ってみると、dp0 QuattroとXシリーズのカメラ、用途が全く違うけれども、それでも画角が被るのは嫌だと気がついた。どっちの超広角使おう?って悩むのが億劫。こんなことに脳みそ使いたくない。

 じゃあもっと広角側の素晴らしい単焦点レンズを使うべきで、となればLAOWAの9mm F2.8くらいしかなかった。買うしかないじゃない。

 

3.購入直後の所感

 周辺減光はかなり強め。開放だと周辺の描写は結構メロメロでフレア感もあるが、中央(像高70%くらいまで)の描写は開放から良い。F4.0で周辺の描写や周辺減光はかなり改善し、スッキリとした印象。F5.6でも同じく改善は進み、F8.0かF11で周辺減光は残っているもののおおむね均一な描写となる。7artisans 12mm F2.8に比べコントラストや色味がかなり良い。現代的な発色。描写の均一さでは大幅に負けてはいるが、しかし解像感やコントラストはXF14mmF2.8Rに近いと言えば近い。

 最初は、「コンパクトで(コンパクトに設計された分、いくつかの欠点はあるが)おおむね高性能なレンズ」だろうと想像していたが、想像何度か試し撮りしてみて、他にはあまりない、面白いレンズだと感じた。

 現代の普通のレンズだと、絞りは被写界深度の調整に使われるのがほとんどだと思う。開放から1段分くらいは解像度の改善という役目があるかもしれないが、現代のレンズは開放からよく写る。絞りの効くレンズはあまり見ない(コシナは作ってるかもしれないけど)。

 一方、LAOWA 9mm F2.8の絞りは、被写界深度の調整というよりかは、周辺減光や周辺の解像度の低さを逆手に取った、トンネル効果の調整に使うべきだと感じた。例えば開放だと周辺減光はキツいし、周辺にもピントは一切来ないのだけど、それが中央の先鋭さを際立たせている感じだ。日の丸構図で、被写体にぶつかるほど思い切って寄って撮れば、とても迫力ある写真になる。一応、F11.0まで絞ればトンネル効果はかなり薄れるので普通の超広角パンフォーカスとして使うこともできる。

 各絞りの印象としては下記の通り。

  • F2.8:トンネル効果強。中央の解像感は良好。フレアわずかにあり。
  • F4.0:トンネル効果普通。周辺の解像感が向上し、減光が減る。フレアは消える。
  • F5.6:トンネル効果ややマイルド。周辺の解像感、減光がさらに良くなる。
  • F8.0:トンネル効果がかなり薄れる。これ以上絞っても周辺に変化なし。
  • F11:被写界深度が深くなったのみ。パンフォーカスにするならここ。
  • F16:回析の影響か、やや眠くなってきたように感じる。

 

4.誰にベストか

 高品質かつ面白い超広角レンズを使いたい人。堅実なレンズを好んで揃えている人ほど、このレンズを持ったときの楽しみは深いのではないかと思う。7artisans 12mm F2.8より高価だが、その差額以上の性能差はある。特に解像感と色味の違いが大きく、それらを重視する人にはLAOWAを買ったほうが良い。7artisansは撮って出しで「フジの色」が出にくいと感じたが、LAOWAはフツーに「フジの色」が出る。暖色系の色乗りコッテリ方向には振れる気はする(それはそれで個人的には好きだ)。色なんてRAW現像すればいくらでも弄れるんだけど、好感が持てる色調を手軽に得ることができるのはとても心地よい。

 

5.それから月日は流れて

 めっちゃ使うわ。マジで。超広角がこんなに楽しかったなんて。dp0 Quattroと全く競合しないのがめちゃくちゃいい。ランドスケープ的に撮るならdp0 Quattro、スナップに使うならLAOWA 9mmF2.8。写真生活がより豊かになりました。ありがとうLAOWA。

 

6.参考リンク