HiBy FC3 /7,700円(中古)
欲しかった理由
- より上流に影響を受けやすいイヤホンの購入を見据えて、高出力なDACが欲しかった
- BTR3Kと比較がしたかった
検討内容と結果
要項
候補:Hiby FC3、iBasso DC03
- 価格はDC03が新品7,000円くらいで安い。中古はFC3のみあり。
- FC3はハードウェアで音量調整ができる。DC03はソフトウェアでのみ。iBassoのアプリの評価を見ると、スマホの機種によっては動かなかったりしているようで今後に不安。こういうソフトウェアに依存している操作形態って、アップデートが来なくて使えなくなったりすることがある。
- DC03はバッテリーをガンガン食うとのこと。一方FC3はそれほど食わないという報告があった。
結果:DC03の新品とFC3の中古を比べると値段差はほとんどない。またソフトウェアに頼った操作形態は不安すぎる。ポータブルオーディオは電池持ちも重要だと感じたのでHiBy FC3を購入した。
購入先
eイヤホン、中古。
購入直後の所感
BTR3Kに比べて、中低音域が深くパワフルに、全体的には音に厚みが出て生々しくなった。ややウォームに感じる。特別明瞭にはならないが、無理に強調しないクリアさがある。人の声は人の声らしく、ギターはギターらしく、ベースはベースらしく、ドラムはドラムらしく聞こえる。分離や音場感はかなり良くなり、人の息遣いやドラムの胴が震える音、ネックを滑る指の音、ライブ音源なら客席への距離感などが感じ取れる。イヤホンだとその違いは分かりづらいが、ヘッドホンやスピーカーに繋ぐと分かりやすいと思う。もちろんイヤホンでも、上流の影響を受けやすい、それなりの品質のイヤホンならば違いはわかる。
誰にベストか
長所
- 変な強調なく、ニュートラルに音質を向上させてくれる。
- 電池消費はかなり少ない、外装も熱くならない。
- USB DACの中でも最小クラス。
- 接続時にLEDが光るのは分かりやすくて良い(OGT接続はスマホの機種によっては結構不安定でUSBを挿してもつながってなかったりする)。ビットレートの違いによって光の色が異なるのも分かりやすい。
短所
- イヤホンによっては変化が実感しづらい。
- 外装はめちゃくちゃ安っぽい。柔らかいアルミで表面加工を何もしてない切りっぱなしなので、簡単に傷が付く。USB端子もカタカタする。
まとめ
1万円周辺のイヤホンを持っている、もしくは買おうとしている人にベスト。低価格のイヤホンだと変化が分かりづらく、コスパは良くないよなと思う。スマホ直差しで使ってて、ホワイトノイズに悩んでいる人にはその変化は分かってもらえるだろうけど、そういったノイズ低減用途程度で買うならBTR3Kの方がいいと思う。値段もたいして変わらないし、無線が使えるようになって一石二鳥。
個人の感想としては、BTR3KとFC3の2台持ちはかなり満足している。普段はBTR3Kで便利に、より良く聞きたい時はFC3で心地よく。BTR5をひとつ買うよりも、BTR3KとFC3の両方を買う方がより幅ができて楽しいと思う。
それから月日は流れて
- 反省。検討の要項に入れる必要がなかったなと思ったのは「バッテリーの食い過ぎ」だった。BTR3Kのような良くできたBluetoothレシーバーを持っていたら、外出時にはそればかり使うことになって、結局USB DACは家で腰を落ち着けたときくらいしか使わない。人によっては喫茶店だったり、電車での長時間の移動時なんかに使うこともあると思うけど、僕の生活にはそういうシチュエーションがあまりないので。
参考リンク
HiBy FC3
— 森あざらし (Azalush) (@align_centre) 2021年6月7日
何気に計測上はすごい数字叩き出してるなw
何より小さいし(45×13×9mm, 9.1g)、専用レーザーケースが付属してるのでスマホやタブレットなどを傷つけにくそうだし、気になってる。
国内販売はまだっぽいけど…https://t.co/tuQQwVFdXh
KZ DQ6 /2,046円
欲しかった理由
- ZSN Pro Xで衝撃を受け、他の中華イヤホンにも興味が出てきた
- ZSN Pro Xはスマホ直差しだと高音域のプチプチしたノイズが気になった
検討内容と結果
要項
- 安いもの(2,000円くらい)
- ZSN Pro Xよりも低音域に特長があるもの
候補:NICEHCK DB3、KZ DQ6
- DB3を買っちゃったので…
結果:DQ6
購入先
Amazon、新品。
購入直後の所感
視聴環境:Oppo A54 G5(LDAC)→FiiO BTR3K(3.5mm)→DQ6
周波数特性とかを見るにZSN Pro Xの高音域をすっぱり弱くしたような感じで、かつDD3発ということで、低音超特化なのかなとドキドキしていたが…
あれ? 意外と高音域出てる? 低音域強いけど中音域も明瞭で人の声も聞き取りやすい。DB3と違って、ボンボン弾む低音なのでサブベース強めの電子音楽がばっちりハマる。好みで言えばZSN Pro Xより好き。全体的に明瞭で弾力があってパワフルだけれど、分離感はそんなにないし音場も狭い方なので、じっくり聴くのには向いてないと思う。
向いてるなあと思ったのは、ニガミ17歳やORESAMA、サカナクション、ピーナッツくんとか。ヨルシカとかYOASOBIも合う。King Gnuも悪くない。女性ボーカルも男性ボーカルも問題なく明瞭。もっと音数の多い曲にも対応できるけど、分離がそれほど良くないから気になる時もある。モーモールルギャバンやさよならポニーテールなんかにも合うけど、もっと向いているイヤホンがあるような気もする。パワフルすぎて音が団子になって聞こえてしまう。
※記事にまだしてないからネタバレになっちゃうけど、音が込み入ってるバンドとか音場感が広い方がいいグループに向いている低価格イヤホンはTFZ LIVE 1だと思う。音場感あって音の分離良くて中高音が明瞭。ボーカルも伸びやか。多ドラの存在意義とは(それ以上いけない)
誰にベストか
長所
- 安い
- 低音域がパワフルで弾むのでノリがいい
- 意外と人の声が明瞭に聞こえる
- 意外と高音域も伸びる、BAみたいなシャリシャリした感じがなくて心地よい
短所
- 解像感はそれほどなく、楽器数が多い曲だと音が団子になって聞こえがち
- 残響感が全然ないので音場が狭く感じる(没入感が出て良い場合も)
まとめ
これぞ中華イヤホン。盛ったスペックで安くてパワフルで明瞭。ケツを蹴り上げられるような衝撃。初めの1個にこれを選ぶのもいいし、これまでKZのハイブリットイヤホンを買ったことがある人が「BAがないKZのイヤホンってどんなもんだろう」と買っても後悔しない。今風の音数が少ない音楽には大抵合うので、そういった曲を聴く人はとりあえずこれ買って、もっと解像感が、とかもっと音場感広い方が、とかもっと高音域に刺激が欲しいとか、そういう踏み台にも良い。1個持ってて損はしない。さすがにオーケストラとかを良く聴く人向けの低価格中華イヤホンはDB3だけど…。
それから月日は流れて
- もっと明瞭感が欲しかったのでイヤーピースをスピンフィットのCP100+ SSサイズにして耳奥に突っ込む。脳ミソとろけそう。
- さらにパワフルにしたくてNICEHCKのC8−1にリケーブル。最高にパワフル。
- さすがにパワフルすぎて不自然な音(強調しすぎ?人工感ある?)みたいに感じたので、イヤホンのついでに買ったKZのGold silver and copper mixed upgrade cable にリケーブル。程よく強調、程よく自然、程よくパワフル。ぶっちゃけKZの純正アップケーブルって信頼してなかったけど(だってAliexpressで1,000円以下で売ってるし…いくらコスパ最高の中華といえ安すぎて不安…)、純正らしく自然にアップグレードされるので驚いた。
参考リンク
NICEHCK DB3 /1,985円
欲しかった理由
- ZSN Pro Xで衝撃を受け、他の中華イヤホンにも興味が出てきた
- ZSN Pro Xはスマホ直差しだと高音域のプチプチしたノイズが気になった
検討内容と結果
要項
- 安いもの(2,000円くらい)
- ZSN Pro Xよりも低音域に特長があるもの
候補:NICEHCK DB3、KZ DQ6
- DB3の方がほんの少し安い
- どちらも低音域が強いが周波数特性を見るにDB3の方がよりZSN Pro Xから遠いので聴き比べが捗りそう
- DB3は聴き疲れしにくいらしく、その面でもZSN Pro Xとキャラクターが異なり都合がいい
結果:NICEHCK DB3
※ネタバレ:その後結局両方買う。
購入先
Aliexpress、新品。
購入直後の所感
低音に厚みがあると感じた。異なる10mmDDを2つ積んでいるせいか、単純に厚いだけでなく解像感もある。全体を支えるというよりかは包み込んでいるような低音で、広さを感じる。中高音域は出てないというわけでもないがちょっと雑味はある。人の声の輪郭はわかるけど乾燥していてやや遠く、迫るような迫力はないため、楽器の出す音よりも2歩引いたように感じるが、これは短所でもあるが長所でもある。とにかく聴き疲れしない。イヤホンのハウジングが小さいため耳への収まりもいい。
人の声が入ってないオーケストラやOSTなどが良い。楽器が多かったりスピード感のある曲だとやや苦手。洋楽のアコースティックな曲やスローテンポな曲、アンビエントも良い。LankaやMaisie Peter、Sigur Rosなど。カネコアヤノとが合うかと思ったらそんなに良くない。日本の70年代フォークが合うかと思ったが、ベースとバスドラムが強すぎると感じる曲がちょこちょこ。つまり吉田卓郎やチューリップはダメだがさだまさしとか風は合う。かぐや姫は実に微妙。はっぴいえんどは合う。荒井由実も悪くない。ただまあ、粗を探さなければなんでも聞けちゃうイヤホンではある。
誰にベストか
長所
- 安い
- ノイズ少なめ
- 低音域に厚みや深みがあって解像感もある
短所
- 人の声が少し遠く聞こえる
- 低音域は強いが弾むような音ではなくノリノリの電子音楽には向かない
まとめ
2個目以降の中華イヤホンにベスト。安いのでホイホイ買える。最初にこれ掴んじゃうと「結構いいな」くらいでイヤホン巡礼を終わってしまう気がしなくもない。KZみたいに化学調味料的なガツンとくるうま味に参っちゃったあとにDB3を聴くと、「中華イヤホンこんな音のやつもあるのか」という感動から沼に入りやすい。いや沼には入らなくていいんだけど。楽しいは楽しい。
それから月日は流れて
- イヤーステムが短く感じたので、イヤーピースをスパイラルドットのMLサイズに変更。外耳にフタをするような感じで装着。密閉感が得られていい。音場もひと回り広くなった。
- 中音域がもう少し盛って欲しかったのと、解像感が欲しかったので、NICEHCK C16-3にリケーブル。思っていた通りの傾向になって満足。高音域も出て欲しくないと言えば嘘だけど、それしちゃうとDB3の特徴潰しちゃうので銀メッキケーブルは試さなかった。
参考リンク