7artisans 12mm F2.8 (フジXマウント) / 21,500円
1.欲しい理由
以前XF14mmF2.8 Rを持っていたが、あまり使わない画角のため手放した。最近になってまた超広角が欲しくなったため。
2.検討内容と結果
XF14mmF2.8 Rの代わりにSIGMA dp0 Quattroを導入し、その描写には満足しているので、積極的にXF14mmF2.8 Rを買い直す気にはなれなかった。
dp0が苦手な、低EV域におけるスナップ撮影に用いるのが主になるため、以前と同じく使用頻度は少ないと思われる。
したがって、それほど高級なレンズを購入する必要性は低い。
候補は7artisans 12mm F2.8、LAOWA 9mm F2.8 ZERO-D。
最安値(税込み)は、7artisansが新品21,500円(フジヤカメラ店)、中古17,800円(マップカメラの良品)。LAOWAが新品65,090円(マップカメラ、カメラのキタムラ)、中古45,800円(カメラのキタムラのAB品)。
MTFを見比べるに、LAOWAが良いのは確実だが、しかしXF14mmF2.8 Rの中古くらいの価格がするので、それならXF14mmF2.8 Rを買い戻す方がマシじゃないか?
35mm換算で21mm未満の超広角も初めて触るし、とりあえずは安い7artisansでお試しということでどうだろうか。
マップカメラの中古にはなぜか保証がついていなかったので、フジヤカメラ店で7artisansの新品を購入。さすがに初めての中華レンズで保証なしは怖すぎる。
3.購入直後の所感
XF14mmF2.8 Rと同じアングルで撮影して比較。値段を考えれば信じられないくらいによく写る。XF14mmF2.8 Rと同等とは言えないが、四隅以外の解像度だけ見れば、僅かに劣る程度。拡大比較すると光源周囲は少しフレアっぽいが、解像感を阻害してはいない。非球面1枚なのに頑張っているなぁという感想。周辺光量落ちもあるけど、味と言い張れる程度で、悪くはない。歪曲もほぼ感じない。中華レンズおそるべし。
ただ、欠点がないわけでもなく、コントラストは少し眠く、シャドーは潰れ気味、カラーネガの渋いやつみたいな発色。RAW現像でどうにかなる程度だけど、7artisansで取るたびにRAW現像するのはXシリーズの「撮って出しですぐキレイ」という魅力をスポイルする気がする。しかし、単純に発色が悪いわけではなく、好きな人は好きな発色だろう。レトロな発色ではあるけど解像度はあるので、撮って出しなのに軽く色加工した感じが得られると言えばいちばん近い気がする。
明確な不満点は胴鏡一体式のフード。コンパクトなレンズにしたかったんだろうけど、フードが短すぎて効果が薄い。ハレ切りすると違いは明確。もう少し長くすれば効果は絶大だったろうにもったいない。スタイル優先でフードが短くてもいいけど、角型フードを別に付けるとか、そういう対応できなかったのかな。格安の超広角レンズとしては、悪くない逆光性能だとは思うけど……。
4.誰にベストか
超広角単焦点を使ってみたい人。お手軽にちょいレトロな発色を求めている人。より高性能な超広角レンズを使ったことがある人からすれば、物足りなさを感じてしまうのではないか。僕もXF14mmF2.8 Rを知らなければ大絶賛して使いまくっていたと思う。本当に中華レンズおそるべし。
5.それから月日は流れて
傷付く前に下取りに出して今度はLAOWA買う。また散財させてくれるだなんて、ありがたい話だなぁ。
6.参考リンク